古民家LABO

古民家専門の不動産屋で働く私の仕事日記

(実例)古民家を買って民泊を始める【リノベ編】

古民家を買って、そこに住みながら家の半分を民泊にしたFさん夫妻のリノベーションの実例をご紹介します。

※3回にわたる連載です。今回は2回目。

前回のお話(物件との出会い編)はこちら↓

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最初にやるのは家の状態チェック

まずはリフォーム業者さんに家の状態をチェックしてもらいました

  • 床の下:木が腐っていないか、白アリは大丈夫か。

  • 天井の裏:雨が入った跡はないか。

  • 外まわり:屋根や雨どいは水をちゃんと流せているか。

屋根と雨どいを修理して「雨」を止める

この家の瓦は、昔の小さいサイズの瓦が使われていて、今の瓦と合いませんでした。

でも幸い、昔の予備瓦が庭に残されていたので、割れているところだけ取り替えました。

同時に雨どいを新しくして、雨が壁や床下に入らないようにしました。
→ ポイント:雨の道を整えると、家が長持ちします。

住む場所づくり。蔵を生活空間に

蔵はもともと荷物置き場。そのままだと夏は暑く、冬は寒いので、次の3つをしました。

  1. 壁・天井・床の中に断熱材を入れる。

  2. 窓を二重ガラスにして、すき間風と音を減らす。

  3. 空気の入れ替え(換気扇)をつけて、梅雨でもジメジメしないようにする。

→ここは快適な生活ができるように、お金をかけてしっかりリフォームした部分です。

古民家は現代工法と勝手が違うため、古民家リフォーム実績のある会社が安心。経験豊富な会社を一括見積で比較しておくと失敗が減ります。

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民泊スペース「町家らしさ+泊まりやすさ」

民泊は1階の半分と2階を使いました。

  • 1階の客室は坪庭が見える位置掘りごたつ。和の家具や小物も置いて、畳の部屋にベッドを設置。

  • 2階は梁を見せて日本家屋独特の雰囲気を出す。

  • ミニキッチン、檜風呂、トイレを新設。
  • 家族の生活ゾーンとお客様ゾーンは、鍵や建具で分ける
    泊り客がオーナーの生活空間に入って来られないよう鍵をかけて、必要な時は呼んでもらうためのインターホンをつけました。

仕上げ「古さは味、暮らしは今風」

  • 床は、生活空間の方はフローリングにし、民泊スペースの方は外国人客が喜ぶ畳の部屋を用意。

  • 壁はもともと良い状態だったため、ほぼ補修はせず、一部漆喰に塗り替え。
    漆喰は湿度の多い時期には湿気を吸い、乾燥時期には湿気を放出してくれて室内を快適に保ってくれます。

  • 夜の照明はレトロなランプ+足元の間接照明で、写真も雰囲気も◎。
    → ポイント:“古い=暗い”にならない工夫を。

補助金を活用

Fさんは自治体の古民家再生の補助金約500万円をもらえたので大助かりでした。
古民家を残すこと、新しくお店を始めること、地域の交流の場として役立つこと。これらに該当する場合に出る補助金を使うことができました。

最近は、古民家がその地域にとって歴史的で貴重な財産であることから、古民家再生のための補助金を出す自治体が増えています。

図面や見積、活用の計画を出して審査に通れば、雨対策・断熱・水回りなど大切な工事に充てられます。
→ ポイント:お金は“最初に直すべき所”に集中
。家の寿命が延びます。

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次回は、民泊の届け出・ご近所説明・集客まで。立地の弱みをどう乗り越えたのかをお届けします。
つづく…

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