古民家LABO

古民家専門の不動産屋で働く私の仕事日記

温泉が出る中古別荘が売れました(体験談)

※本記事には広告(PR)を含みます

半年前に売り出した築15年の中古別荘に、ようやく買主さんが決まりました。私(不動産仲介)が担当した、森の中の温泉付き中古別荘の売買契約の話です。

建築士のご友人が設計したこだわりのログハウス。外シンクや手洗い場、アウトドア用品がたっぷり入る収納、吹き抜けリビングとシーリングファン。避暑地なので夏は窓を開ければ涼しくエアコン要らず(一応エアコンも常設)。そして何より、各戸に温泉が引かれています。
別荘地には管理会社があり、草刈り・ゴミ出し・ごみステーション運用まで面倒を見てくれます。ときどき鹿も出ますが、人に危害はなし。写真映えし、毎週末のように内見予約が入る人気ぶりでした。

 

築15年、川沿いのログハウス。設計は売主さんのご友人である建築士さんで、外に大きなウッドデッキ、手洗い場やシンクまで備え、バーベキューを楽しめる造り。

リビングには暖炉。この暖炉が購入を検討されるお客様に人気でした。

天井は吹き抜けで、シーリングファンがゆっくり回る。真夏の内見でも窓を開けると風が抜け、エアコンの出番はほとんどありません。

この別荘地のいちばんの自慢は、温泉です。どの家にも引かれています。岩風呂風の浴槽で、蛇口をひねると“温泉が出る”という日常。

 

半年ほど前に売り出し、複数の物件サイトに公開しました。

反響は大きかったです。

写真映えする家でしたし、別荘の管理会社がきちんとしていて、草刈りやゴミ出しも管理会社がやってくれます。たまに鹿が姿を見せるのも、この場所らしい話題になります。毎週末のように内見が入り、暖炉とデッキと温泉を気に入る方が多かったのに、契約まではなかなか進まない。

理由は、温泉の利用権でした。ここでは温泉権の購入が必須で、費用は百万円を超えます。家の値段なら交渉の余地がありますが、温泉権は住民全員が同じ条件で負担するもの。ここだけは動かせません。

「温泉は魅力だけど、百万円は…」とおっしゃる方がほとんどでした。

 

売主さんは、お子さんが小さい頃は、家族でよく来られていたそうです。デッキで流しそうめん、バーベキュー。秋は落ち葉を集めて焼き芋。けれど子どもたちは独立し、ご本人も少し体を悪くされて、次第に足が遠のいた。それで、手放す決心をされたのでした。

 

この物件の買主さんはアウトドア好きのご夫婦です。自宅から車で一時間ほどの距離で探していると聞き、私はほっとしました。近すぎず遠すぎず、別荘が“日常に混ざれる”距離感です。

私は、費用のこと、管理のこと、他の方が悩まれたポイントを包み隠さずお伝えしました。すると「私たち、温泉に通うのが趣味みたいなものなので、家にあるなら逆に通わなくて済みますね」と奥さん。

それから暖炉の前に座り、薪の残りと薪棚、道具の話に。今回の契約は“現状有姿”で、家具や道具は基本そのまま引き渡しです。不要なものは買主の負担で処分になります。

片付けと掃除は買主負担というデメリットもありますが、薪割り道具や冷蔵庫、テレビ、エアコンは「残しておいてもらうとむしろ助かる」、そう言っていただけました。

 

帰り際、別荘地の入り口にあるごみステーションを案内しました。

このごみステーションにはいつゴミを捨ててもOK。ご主人は「草も管理会社が刈ってくれるし、ゴミも好きな時に捨てられるからいいね!」と言ってくれました。

そして翌日、買付が入りました!

帰る途中に、近くの温泉に寄って考えたそうです。ここで出る温泉の泉質は美人の湯らしいです。お肌しっとりすべすべ。

「家で同じ湯が出るなら、やっぱりここだよね」と。

 

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最近、割安な中古別荘が売りに出されることが増えています

ここ数年、別荘売却の相談が増加しています。
理由は、所有者の高齢化、あまり利用しなくなった、子供が遠方に住んでいるので相続しても使わないなど

昔は富裕層が別荘を持つことは珍しくありませんでした。

富裕層が建てた上質な建材・設計の中古別荘が今、市場に出てきています。相場より手頃な掘り出し物に出会えるチャンスもありますよ。

 

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